【レビュー】20日発売のJR東日本トレインシミュレータをやってみた

遂に発売されたJR東日本公式とも言える鉄道シミュレータは皆さんご存知でしょうか。
鉄道運転士を要請するための業務用シミュレータを活用したものだそうです。

ちなみにゲーム名は「JR EAST Train Simulator」。そのまんまですね。

JR EAST Train Simulator on Steam
The official train company's authentic driving simulator is here! JR East Train Simulator" is a train driving simulator that allows you to experience live-action images and realistic driving sounds of...

お値段は2022/9/21時点で980円。

 

なおこういった公式の養成用シミュレータは大手鉄道会社だとどこも自社研修設備として持っているそうで、大きな鉄道イベントや車両基地祭りでは体験コーナーとして遊ぶことが出来ることがあります。
(JR東のシミュレータは体験施設に常設)

逆に言えばそれくらいしか遊べる機会がないわけで、家で好きなように楽しめるとなればこれはもう買うしかない!というわけです。

 

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さっそくやってみた

なお、ペパるネットは鉄道オタではありますが車両オタク系ですので運転や運用の方はサッパリです。
でも電車でGoは何作も買ってますし、かつては専用コントローラも持っていたくらい。それくらい鉄道ファンにとっては必携?とも言える馴染み深いゲームでもあるんですね。
(お手軽にテレビで鉄道シミュが出いるという事は画期的)

 

画像:JR East Train simulator

ちなみにこのトレインシミュ、何故か起動時に「応答なし」になります。
が、少し待つと正常に動くようになりますのであわてず騒がず。冷静な心こそ運転士には必要です。きっと。

 

そうそう、このゲームは表記されている推奨環境のパソコンのハードルが意外と高くって、第6世代の4コア以上のCPUにメモリ……
と、マニュアル通りの性能で絞り込んでいくと10万円くらいのハイスペックノートPCになってきます。

確かにフルHDくらいの高精細動画を背景で再生すると考えれば、それくらいのスペックは必要になるのかもしれませんね。
ただ実際にはもっと古いパソコンでも動くとは思いますが(私のパソコンも約3年前のものですし)

 

往年のフリーソフトゲームのような懐かしさ

で、ハイスペックPCを求める割にはゲーム以外の要素……
例えば起動画面とか。2000年代にあった個人製作のフリーゲームソフトのような素朴(?)なメニュー画面が出てきます。なんだか懐かしい。

 

またその中身も非常にシンプル。
「とりあえず動作軽くするのに画質落とそう」「キーコンフィグもしたいな」なんて思いがちですが、このJR東トレインシミュにはそれらの設定が一切ありません。

画像:JR East Train simulator

路線を選んでENTERキーを押せば即スタート。求められるのは即戦力ということでしょうか。

ちなみに体験できるのは京浜東北線(E233系)と八高線(キハ110系)だけです。
京浜東北線の方は駅間距離が短い高密度路線。八高線は操車場から出発して各駅をゆっくり結んでいく路線となっています。

個人的には八高線が景色の変化が大きいのでおススメ。ポイントがいっぱいの路線を揺れながら進んでいくのは鉄道シミュレータならでは、というか普段は見れない場所ですしね。

 

画像:JR East Train simulator

ちなみに操作自体も非常にシンプルでして、例えばマウスならホイールを回すだけで加速とブレーキを行えます。

画像:JR East Train simulator

将来的には外部のコントローラにも対応する予定があるようですが、お子さんと遊ぶならお手軽にマウスホイールだけで遊ぶのが一番かも。

 

 

ゲーム内容はシンプル過ぎて不親切な印象も

ただ、不親切と言うか、いわゆる同じ鉄道運転ゲームである「電車でGo!」シリーズのような親切な案内表示は全くありません。
今走行している速度で大丈夫なのか全くわからなくなることがしばしば。で、ATS(自動列車停止装置)のアラートで非常停止させられるとか。駅が近くなると「ブレーキで減速しよう」って表記は出るものの、そこのタイミングやブレーキ強度は何度もプレイして覚えていくしかありません。
まさに養成シミュレータ。

このあたりは鉄道運転士と同じように信号や速度表示看板を頼りにする、また何度もプレイして景色と速度を覚える必要があるかもしれませんね。

 

良かったところ:リアルな運転体験

動作と言うかシミュレータとしてはかなりリアル(実写ですしね)です。計器類はしっかり動きますし警告灯も一部だけとはいえゲーム内に連動して点灯します。

ただしその運転台はめ込み合成です。
太陽や光源の位置によって明るさが変わるといったことはありません。運転に集中すればいいだけですが、少し違和感が。

画像:JR East Train simulator

とはいえ前面展望とも言うべき運転風景は鉄道ファンならずとも興奮します。
特にここ。ぎっしりと並んだ架線柱や信号標識。その間を縫うように進んでいくのは、かなり心くすぐられます。

 

すれ違う列車の豊富さが嬉しい

そうそう、ゲーム内では様々な車両とすれ違うことが出来ます。

画像:JR East Train simulator

湘南色の近郊電車とか

 

画像:JR East Train simulator

電気機関車(EF65形?)とか。この辺りは是非プレイして探してほしいと思います。お子さんと一緒にプレイして、「あ!○○とすれ違ったよ!」と探す遊びも面白いはずです。

欲を言えば写り込む多数の機関車や貨車(特にブルーサンダー)も運転したいな、と思ってしまいますが……
こちらはJR貨物側なので難しいかも。

また実写だけあって沿線の看板とかも恐らくそのまま記録されているのだと思います。
普段乗られる方は「お、これ同じじゃん!」と嬉しくなるのではないでしょうか。

 

良くなかった点:ボリュームが少ない

9月20日に販売開始となったのは早期アクセス版になります。ですので収録路線は2つ、しかも一部区間だけ。
そちらはもちろん購入前に見える部分に記載されています。

が、プレイ時間で言えば1回10分ちょっと×2路線という感じですので「物足りない!」というのが正直な感想です。期待が大きすぎたというのもありますが。
また車両自体も固定でして、八高線をE233系で走る直通運転…といったことはできません。残念。

またプレイごとに景色が変わるといったこともありませんので変化が足りないと思うかも。実写映像を活かして異なる天候や時刻もあれば良かったんですが。

 

期待と応援の意味での980円

あくまでもまだ不完全な早期アクセスであるという前提に立ったとしても、ほぼ体験版という内容で980円はちょっと割高かなと感じてしまいます。
もう少し区間が長ければ……とか、何かやり込みできる要素があれば…とか。ベースが良いだけに勿体ないような。

あと難しいゲームを求める場合も、そのバリエーションの少なさが気になってしまいます。実際に走行動画を取り込んでゲームに仕立てている以上、他ゲーであるような事故発生やダイヤ乱れを回復させるというようなゲーム的要素の実装は恐らく難しいはずです。あくまでメインは運転体験ですから。

 

とはいえ、路線については今後の「フルバージョン」「ダウンロードコンテンツ」の販売が示唆されておりますので評価が大きく化ける可能性はあります。
それに期待と応援する意味での980円と考えればむしろ安いと言えるのかも?

個人的にはもっと長大な路線が出るとされているフルバージョンが非常に楽しみだったりします。

 

余談:電車はすぐには止まらない・動かない

で、相変わらず思うのが鉄道って止まらないんですよね。電車でGo!の時も思いましたけれどもブレーキかけてから完全に停止するまで数十メートルは必要になります。

またブレーキが効きすぎて直前で止まってしまった時。再加速しようにも全く進まないんです。小回りが全く効かない。

「停止線そこなのに!」「定刻が!」

と何度思ったことか。

 

現実だと私が毎日乗る電車って寸分たがわぬ位置にピタッと止まるんですよね。今のところ大きくズレて止まったケースに遭遇したことはありません。
確かに、乗降口の標識前にズラッと並んでいる中で数mズレちゃったら……クレームは必至です。ゲーム(初級)では合格ですけども。

雨や雪、風の時の挙動や各駅のクセもあるでしょうし、それで停止位置に毎回ピタ付けできると考えれば、プロの運転士さんって本当に凄いものだと分かります。

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