昨今、ヤフーブログやgooブログなどフリーのブログサービスが軒並み閉鎖されています。
ブログブームも終わり、個人の情報発信はSNSや動画配信へと変化したことを考えると時代の流れ……とは言えるんですが、実は困った問題が。
それがインターネットのアーカイブ、情報の書庫としての喪失なんです。
みなさんも、というか何か趣味をお持ちであれば、そのジャンルの個人サイトをブックマークしている人は多いのではないでしょうか。
特に鉄道であれば「撮り鉄」「模型」「運用情報」「ニュース・時事ネタ」など、それぞれの子カテゴリの中でこの人ありというような非常に博識であったり、情報収集を行うアマチュアがたくさんいるわけですよね。そしてその人達は趣味としてホームページやブログを作成したりして、情報の整理や発信を行っているわけです。
で、これらのサイトのサービスが終了してしまったらどうなるでしょうか。運営が続いているサイトなら引っ越しを検討されるかも知れませんが、例えばすでに更新が途絶えたホームページですとか
引っ越しを行う気力もないという場合にはそのままデータが削除されてしまいます。
「ネットの公開された情報は消せない」と言われたのはもはや昔の話。今ではもう情報が反乱しすぎてて、たとえ価値ある情報であっても日の目を見ずに消えていくというような状況になっています。
長期的・低コスト・外部影響を避けてWebサイトを存続させる方法
ホームページが消えちゃうというのは閲覧側だけではなく、管理側としても結構大きな痛手だったりします。
昔に作ったホームページやブログ、なんとなく残ってるけど(もうメールアドレスも変わっちゃってログインできないけども)、たまに見に行っては微妙にアクセスカウンター回ってるのを見て安心するとか。
消えたら消えたでやっぱり悲しいものです。
今のpepar.netのサイトは独自ドメインなんで「維持費を払う限りは続く」わけです。その点は安心。
でも、ふと思うときがあります。もし、管理人が管理できない状態になったとして、出来るだけ低コストに、長期的に、外部からの影響を避けてWebサイトを存続させたいとなると どのような手段が考えられますでしょうか。
前提
-
無料ブログサービス(Yahoo!ブログ、gooブログ等)は運営側の都合で突然閉鎖・データ削除されるリスクが高い。
- 管理人が不在・管理できない状態でも、できるだけ長く、安定してWebサイトを残したい。
主な選択肢
1. 独自ドメイン+レンタルサーバー+CMS(WordPress等)
概要
独自ドメインを取得し、レンタルサーバーを契約してWordPressなどのCMSを設置。
メリット
サービス終了リスクが低い(サーバー契約を続ける限り存続)。
データのエクスポート・インポートが容易。
バックアップや自動更新設定も可能。
コスト
年間数千円~1万円程度(ドメイン+格安サーバー)。
できるだけ長期プランで前払いしておくのが肝心。
注意点:
最低限の初期設定・管理が必要。
ドメイン・サーバーの自動更新設定を推奨。
ペパるネットはこれ。外部に依存せず、「維持費を払う限りは続く」というもの。
言い換えれば支払い滞ればアウトです。猶予期間はあるようですが、容赦なくサクッと消えます。
事故とか病気とかで正常に管理できなくなった場合にはどうしよう、とは思うときも。
(家族が引き継いでくれれば良いんですが、そこは無理には言えない)
2. 静的サイト化+無料ホスティング
概要
サイトをHTML等の静的ファイルに変換し、GitHub PagesやNetlifyなどの無料ホスティングにアップロード。
メリット
サーバー管理不要、無料で運用可能。静的ファイルなのでセキュリティリスクが低い。
GitHub Pagesは長期的に安定している。
コスト
無料。
注意点
サイトの更新は手動(または自動化スクリプトが必要)。
技術的な知識がやや必要。
GitHub Pages、これは私も知らなかったパターン。ただあくまでもプログラムのコードなどテキスト主体で、かつテクノロジー系の利用目的に限定されるようです。利用規約で結構しっかりと制限があります。
その他のホスティングサービスもある程度の期間の設置には向くでしょうけれども、10年単位と考えると……果たして。
3. インターネットアーカイブ(Wayback Machine)への保存
概要
サイト全体をWayback Machine等のアーカイブサービスに保存申請。
メリット
完全無料。
サイトが消えてもアーカイブとして残る可能性が高い。
注意点
動的コンテンツや一部画像は保存されない場合がある。アーカイブの保証はない。
古いサイトを見るときにおなじみとなるインターネットの魚拓というかアーカイブサービスです。検索機能が最低限なので情報をさがすというよりも、閉鎖などで見れなくなったサイトの情報を確認するという目的で使用するものかも。
ただし保存される内容は万能ではないですし、画像や動画なども結構な割合で欠損(見れない)事が多いです。
4. 書籍化・PDF化して配布・保存
概要:
サイト全体をPDFや書籍にして保存・配布。
メリット
デジタル消失リスクを低減。閲覧用として長期保存が可能。
注意点
Webとしての公開性は失われる。
更新はできない。
製本は夢がありますけども、自費出版となると印刷費は製本代に非常に大きなコストがかかってきます。もちろんそのためにコンテンツを作り直す、書き直す必要もあったりして現実的ではないかも。
ただ、「30年先に残したい」という目的であるのであれば、特に今のネット情勢を見ていくと製本しておくのは正解なのかも知れません。
比較表
方法 | コスト | 技術難易度 | 長期安定性 | 外部影響リスク |
---|---|---|---|---|
独自ドメイン+レンタル鯖 | 低~中 | 中 | 高 | 低 |
静的サイト+無料ホスティング | 無料 | 中 | 高 | 低 |
インターネットアーカイブ | 無料 | 低 | 中 | 中 |
書籍化・PDF化 | 低 | 低 | 高 | 低 |
今ならSNSに全部投稿してしまうというのもあるんでしょうけれども、こちらもサービス終了すると電子の藻屑となりえるのでなんとも怖いところ。
個人的にはブログ記事や画像の別保存を推奨
無料ブログサービスは、どこも「突然の閉鎖・削除リスク」があるため、必ず定期的なバックアップを推奨します。
私の場合は制作データと記事に使うCSVデータ、ブログのデータベースのバックアップはローカルの外付けHDDなどに保存するようにしています。
最悪、何らかの理由(支払い忘れたりとか)で吹っ飛んだとしても元データさえあれば復旧させることはできますし……
「静的サイト化+無料ホスティング」が存続性が最も高くなるのかな、とか思ったりして。
とはいえネットの情報保持能力は思ってる以上に脆いもの。
ユーザー側としては気に入ったサイトは定期的に保存しておくとか、SNSで見かけた「印刷してファイリングしてる」というのがもしかすると最も最強なログの保存方法なのかも。
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