GIGAスクール構想モデル?ネットで話題のアスコンAT-08を買って見た

3.5

少し前(2025年2月)ににイオシスで大量販売された格安ノートPC、アスコンAT-08。
(3日ほどで完売)

とある地域で学校用(ギガスクール構想)の文教モデルとして採用されたものの、トラブル続きで全数交換になった回収品……という噂も。

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買ってみた

というわけでお値段3980円、送料込みでも4600円くらいということで「使えたら良いなー」くらいの軽い気持ちで、あとブログ用の文を書くような使い倒す目的のワープロ的な端末欲しかったのもあって飛びついてみました。

性能などは以下の通り。

項目 仕様
モデル AT-08
タブレット 10.1 inch手書きタブレット (解像度:1920×1200)
充電式電子ペン
10点マルチタッチ対応 アクティブ静電容量方式
CPU 2.4GHz Quad Core Intel Celeron N4120相当
GPU Intel UHD Graphics 600
OS Windows 10 Pro 64bit
メモリ 4GB LPDDR4 1866MHz
ストレージ 64GB eMMC

端子としてはUSB-C、USB-A、HDMI、マイクロSD、SIMカード、イヤホン端子がありますので一般的な用途では十分すぎるほど。

 

※注意!最初にドライバのバックアップを

そうそう、こういったタブレットはちょっとしたトラブルでデバイスドライバが吹っ飛ぶことがあります。なので購入したらまず、デバイスドライバをバックアップしておきましょう。
モノが特殊なだけに公式サイトでのドライバ配布はなさそうです。特にWin11へのアップデートにチャレンジしようと考えているならば特に。

窓の杜
「Double Driver」OSにインストール済みのドライバーを一括バックアップ・復元

もちろんバックアップしたものはUSBメモリや他のパソコンへ退避を。

 

外観:物理的に重量級

重量で言えば約1.2㎏。持った感じ、ズッシリです。

本体側もさることながら、それを支えるためのキーボードも結構重いです。

キーボード側にもUSB-A端子あり。あと後述しますが重い分だけ剛性感というメリットになったりしています。
もちろん児童向けモデルですので壊れにくさという意味で頑丈にしているのでしょうけれども。

 

本体側は「ああ、Winタブレットだね」というような感じ。中身の詰まった金属塊を持ったような……。

こちらも子ども達が扱う文教モデルというのもあって、かなり強固なフレームにしているんでしょうね。おかげで鈍器です。

例えば10インチの2in1ノートでいえばレッツノートRZが800g切りと考えると1.2kgはなかなかのもの。

 

 

そこまで悪くはない操作感

で、気になるCPUはセレロン N4120。4スレッドというのもあってマルチタスクは本当に苦手。

一方で低消費電力というのがウリでもありますし、バッテリーとのトレードオフと考えれば悪くはない選択肢なのかも。

授業ごとに充電管理は大変ですし、それならモッサリだけど長寿命のほうが良いわけで。事前に、しっかり充電管理できる人ばかりではないですからね。先生もそこまで見きれない。

セレロン4120ですが、シングルタスクであればそこまで絶望するほどは重くはないかなー、と。ブラウザでタブいっぱい開くとか、マルチタスクでなにかする場合は結構辛いですが。

動画の再生支援もあるのでYoutubeはなんとか見れますが、フルHD 60p動画(一般に選択できる高画質)なんかはカクカクします。720pくらいにすると十分見れますけれども。

ネット、ブラウザについても動画広告が多めのサイトはちょい厳しい。あ、うち(pepar.net)は軽々見れますので大丈夫ですよ。
頑張って軽量にしてますので。

余談

SNSでは性能低くて使えねーという声も見かけましたが、うちの職場の貸与PCがセレ4200なのでよく似たもんって悲しさ。
非IT系ってそんなもんです。というか全国でリッチなパソコン使える職場ってどれくらいあるんだろう。

 

キーボードは結構好きな感じ

キーボードはそこまで悪くはない感じ。むしろ好みです。しっかり日本語配列ですし。

頑丈な分だけ剛性感もあり、タブレットキーボードによくあるような嫌な”たわみ”とか”グニョっとした感覚”とは無縁です。

ただヒンジ部の端子の接触が悪いのか、少し動かすだけで接続が切れることも。そのたびに鳴り響く「ポーン」「ポンポコペン♩」というデバイスの接続確認音。
→接続端子の清掃で改善しました。

タッチパッドが横長、あとタッチというかクリック判定が漏れる?ようで、そこはちょっとストレスが。
がっつりと操作する場合はマウスが欲しくなります。もしくは画面タッチでやりましょう。

軽作業でちょこっと操作するぐらいなら大丈夫なんですけれどもね。マルチタスクで何かしようとすると、処理の重さも相まってカーソルが飛ぶ、みたいなことになっちゃいますが。

 

スタイラス対応、でも付属せず

スタイラスは純正品で販売されていた(学校モデルでは付属?)ようですが、イオシスでの販売分には無し。出回ってもいないのかな?

一応、市販のユニバーサル式の充電ペンがある程度使えるので、どうしても欲しい場合はそれでもいいかも。

ただしパームリジェクション機能はないのでお絵かき用途はちょい厳しいかな。ペン先との視差も大きめ。

メモ書きですとか、操作用と割り切るのであれば使えるかなーという感じ。

 

画面は高画質、カメラは低画質

画面はなぜか高解像度な1980*1200。液晶の質も悪くはなく結構綺麗。
ただハードウェアの性能的にもうちょっと落としても良かったんじゃ、と思う事も。

カメラはまぁ、オマケみたいなものでしょうか。往年の安いコンパクトデジカメ画質。あまりに高解像度だとパソコン性能的に追いつかないので、まぁこれはこれで良しでしょうか。

↓はWindows標準のカメラアプリで、卓上の植物を取ってみた作例。

↑は撮って出し。ガビガビな写真です。
理科の観察とかで写真撮ってドキュメントに落とし込むというのがその用途でしょうしね。

 

USB-C端子あり、でも充電器は選ぶ

充電器はこんな感じの、中華ガジェット系で良く見かけるチープ感満載のアダプターが付いています。端子は3.5㎜くらい。

この固くてねじれ易いケーブルが本当にコストカットの産物だよなぁって思えます。

一応、USB-Cでも充電できます。PD充電対応で12v出力できるものという制限があるようですが。Xiaomiのノートパソコン用のものが使えました。

 

それ以外の手持ちの充電器、PD対応のもの、ChoromeBook用のものも含めて試しましたが軒並みNGでした。

 

何に使う?

レポート作成や文書作成の軽作業的に

性能的な部分で3DCGや動画編集は無理がありすぎます。メモリが根本的に足りませんし。
となると、やはり使えるのは軽作業、簡易的なレポート作成とかになるのかなーと。

実際、キーボードは決して悪くは無いので文書用にというのもアリかもしれません。画面の角度を決めることが出来る大きなメリットも。
その点はAndroidやiPadにキーボードケースを組み合わせる定番例ではできませんしね。

 

リモート端末に使う

画面が綺麗、キーボードも良し…ということでリモート端末とか。USB-A端子があるのでコントローラも使いやすいですし。

メインとなるパソコンが有るのであれば、Monnlight(リモート用クライアント)使うことでお手軽な持ち運びゲーム機にもなったりします。往年のシンクライアント端末的な。

 

レーザー加工機端末に

これは人を選びますけども、レーザー加工用の制御端末に。

キーボードついててコンパクトですから。LaserGRBLなら問題なく動くスペックですからね。キーボード付きなので数値の書き換えなども容易。
幸いにもファンレスなので煙を吸い込む心配もなし。

 

注意すべき点は

Win11へのアップデートは厳しそう

Win10といえば今年にはサポートが終わってしまいますので、可能であればWin11化したいところ。

でもSNSで見た限りでは「アップデートは可能、でもドライバ回りでコケることが多い」ようです。素直にアップデートというわけにはいかない模様。

どうしてもチャレンジしたい場合は現在のデバイスドライバなどをしっかりバックアップ取ってから挑戦しましょう。

 

LinuxやChromeFlexも厳しそう

ではChromeBook化なんかも、と思いますがこちらもやっぱりドライバ回りで問題が多いようで。
OS入れ替えるという選択肢はしづらそうです。

 

不具合多発の機種

イオシスなどで販売されているものがどういった経緯で流れてきたのかは不明ですが、ともかくは尋常ではない不具合発生率で回収されたモデルと同じ形式であるという点には注意が必要です。

 

 

 

 

総評:Win10機として使うのであれば値段なりのアタリ

あくまでも中古Win10ノートPC、としてみればむしろ当たりな部類でしょうか。
画面良し、キーボード良し、モッサリだけどもとりあえず動く。バッテリーは長時間で端子もいっぱい。不具合に当たらなければ本体は頑丈……。
ガジェットオタク的には「一般向けのノートとは異なる設計思想」という点だけでも興味津々だったりします。

ネットでは結構、ツッコミ入ってますが、目指してるものは決して悪い物では無かったんじゃないかなーと。頑丈でバッテリー持ちが良くて、子どもたちのために出来るだけ小さく作ってと考えれば、その求められる要件はめちゃくちゃ高かったはず。そしてそれらはある程度、やや無茶ながらも達成できたんじゃないかなーと。

ただ、残念なことにニュースでもありましたが肝心の「信頼性」が低かったというのもあったようで。製造時のコストカットが裏目に出たのか、それとも検品が甘かったのか何なのか……

 

 

雑感

今の子ども(うちの子も含めて)って、すぐ使いこなすんですよね。こういうガジェットって。
あれこれ触って。興味の対象となった場合の吸収のスピードが半端ない。
でも、そういう「アツい時期」に激重パソコンを渡されていたらと考えると、それで「パソコンってこんなに使いにくいんだ」と先入観を持たれてしまうのは、本当にもったいない。

で、一方であちこちに見える「学校用モデルとしての要件に頑張って合わせた」感じは、これもパソコンの進化論の一つというような(大げさですが)、一般向けのノートパソコンとはまた異なる思想を感じられます。ガジェットオタク的にはそういったものは結構刺さるものがあったりして。

そう考えると子供向けに買い与えるというよりも、割り切って使える玄人向け?の端末に仕上がっちゃったような気がしました。
いや、性能面や信頼性という点の除けばモノは結構良いと思うんですよね。ACアダプターを除けばチープさは無いし。

 

ちなみにうちの子どもの学校ではNECのChormeBook使ってます。少し借りましたが、前々世代モデルでもレスポンスは半端なく軽いです。OSの違いもありますけれどもね。
ちなみに兄弟モデルの「アスコンAT-09」がChromebookだそうで。市販モデルではないのですけれども、もし中古でも澤れる機会があったなら持ってみたいなーと思ったりしました。

 

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