先日ですが第三セクター鉄道協議会において「令和5年度 第三セクター鉄道の輸送実績・経営成績」が公表されました。
それによると黒字であったのはわずか4社にとどまるとのこと。全41社中4社ということで単純計算で1割だけ。ほかは軒並み赤字という厳しい状況であることがデータとして明らかになりました。
黒字であった4社
あいの風とやま鉄道:9793万円
智頭急行:8460万円
南阿蘇鉄道:1889万円
信楽高原鉄道:152万円
利用促進策が奏功して観光客やインバウンド客が増えた、運賃改定で収益増加したということが黒字化の要因であるようです。
赤字であった第三セクター鉄道事業者の傾向
一方、赤字であった残りの37社についてもみていきますと、2024年の日本の第三セクター鉄道事業者の経営成績において、赤字であった事業者にはいくつかの共通する傾向が見られます。
1. 燃料費と維持管理費の高騰
多くの第三セクター鉄道事業者が直面している最大の課題は、燃料費の高騰と施設の老朽化に伴う維持管理費の増加です。これらのコストが経営を圧迫しており、赤字の主な要因となっています。
2. 災害復旧費用の増加
近年、大雨や台風などの自然災害が頻発しており、その復旧費用が経営に大きな負担をかけています。特に土砂崩れや洪水などの災害対策費が増加していることが、赤字の一因となっています。
3. 利用客数の減少
新型コロナウイルスの影響により、利用客数が減少し、その回復が遅れていることも赤字の要因です。多くの路線でコロナ前の利用客数に戻っておらず、収益が減少しています。
4. 経営分離された旧国鉄路線の影響
旧国鉄の赤字路線を引き継いだ第三セクター鉄道事業者は、元々の赤字路線であったため、経営が厳しい状況にあります。これらの路線は規模が小さく、経常赤字額が数千万円から数億円に達することが多いです。
5. 自治体からの補助金依存
多くの第三セクター鉄道事業者は、自治体からの補助金に依存して運営を続けています。しかし、自治体の財政状況も厳しく、十分な補助金を確保することが難しい場合もあります。
これらの要因が重なり、多くの第三セクター鉄道事業者が赤字経営に苦しんでいるのが現状です。
コロナ禍からの復活の兆しvsコロナ禍再来の足音
そもそも近年の赤字化の原因の一つに2019~2022年頃までのコロナ禍があります。外出自粛、テレワークの推進で鉄道利用者が急減したんですよね。
皆さんも”誰もおらずガラガラになった都心の駅の風景”なんかをSNSやニュースで見たことある人は多いのではないでしょうか。
幸いにして2023年後頃からは外出制限が事実上撤廃されたことで乗客数が増加に転じ、それが輸送実績でもデータとして出ています。
上記表を見ても輸送実績はほぼ軒並み上昇に転じています。
ただここで心配となるのがコロナウィルス感染者数の上昇というデータ。
2024年6月後半より結構な勢いで増えています。
NHKにのまとめる感染者数の推移マップでも日本のほぼすべての都道府県が増加という事態に……
再び爆発的な感染者数増加となれば、外出を控える人は多くなるはずです。2019年ぐらいのコロナ禍の様相が再び起こる可能性もあるわけです。
そうならないためにも手洗い、手指消毒の徹底は大事です。自分を守るためにも、他の人に感染さない広めないためにも。
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