紙で作ろう!トラバーサーのペーパークラフト・ジオラマ

皆さんはトラバーサーという施設、装置をご存知でしょうか。
wikipediaを引用しますと、

トラバーサー

トラバーサー (Traverser)、は、重量物を水平方向に平行移動(長尺物を横移動)させるための装置。

とのこと。
本来はそれぞれに分岐器が必要なのですが、トラバーサーによってその設備を省略することが出来るようになります。
あと分岐器やレールを分岐させるための曲線部分が不要になりますので、設置面積が最低限で済むという利点があります。
ただデメリットもありまして、例えば長編成の列車をそのまま平行移動しようとするとそれだけ大型のトラバーサーが必要となります。さすがに現実的ではありません。
ですので一般には車両検査を行う車両基地ですとか、もしくは1両で運行される路面電車の車両入換用に使用されています。

トラバーサー

普段はなかなかお目にかかれない設備ですので、鉄道ファン以外にはなじみが薄かったりするのですが、鉄道イベントなどでは必ずと言っていいほど(あればですが)、展示や実演が行われる”目玉装置”だったりします。
天井走行クレーンの車両吊り下げ、トラバーサーによる移動はまさに見学イベント最大ともいえる見せ場、盛り上がりですよね。

トラバーサーは写真のように屋根や側面のフェンスがあるような非常に大型のタイプもあれば、レール台座だけの簡素なものまで非常に多くの種類があります。
今回は作りやすい(組み立てやすい)、屋根のないタイプを作っていきたいと思います。

トラバーサー本体を作成

レールと台座部分を描く


いつものようにレール、滑り止めの鉄板テクスチャは自分のライブラリから引っ張ってきました。これが出来るのはAdobe CCライブラリという機能があるからこそ。
こうやってネタ帳を作っておくと思いついたものがすぐにある程度の形にできるのでお勧めです。
もちろんAdobeソフト以外でもネタ帳ファイルにパーツごとに整理して、必要に応じてコピー&ペーストでもOKです。私も過去(イラレ8.0とか)の時はそうやっていました。

早速ですがこれらの素材を重ね合わせたところ。これから色調やパーツの描き足しなどを行っていきます。

描き足しで最も効果的なものといえば、こういった黄色線のような警告帯や標識などが挙げられます。目立ちますしね。
実際の設備には安全のために必ず存在しています。

ちなみにIllustratorの小ネタなんですが、黄色線の上に黒線を重ねて「点線」に設定すると非常に簡単に警告帯が出来上がります。

操作室を作る

トラバーサーには操作を行うための操作室や操作盤が備わっています。

それもまた作っていくのですが……
せっかくなので保線モーターカーのパーツを使っていくことにします。
窓があって灯火類もすでに描かれていて。ほぼそのまま使えそうです。

ササッと側面を組み替えて、「安全第一」の標識を貼ればこの通り。
なんだか実際にありそうな操作室に見えませんか?
色彩は少し淡く調整してあります。

ついでに警告帯を置いていく

こういう稼働設備にはこれでもかというくらいの警告標識が貼られています。

トラバーサーの端、可動部分、とがった場所、出っ張った場所。
足などを巻きこむ恐れがありますので、特に注意喚起のために目立つようになっています。
そうそう、線路については枕木が不要なので削除しました。レール部分だけ使用します。

土台部分を描く

トラバーサーを乗せる土台、といいますか施設部分は平坦なコンクリートになっています。

最初の写真のようにコンクリートの平面の上を滑るように移動するわけですね。
ただトラバーサーによってはトラバーサー用のレールが敷かれていたりすることもありまして、そこはきっと製造メーカーや用途によって変わってくるんでしょう。

前に作ったモノレール線路のコンクリートテクスチャを一面に貼ります。


ただこれだけだと間延びしてしまいますので、平行移動用のレールを描き込みました。

排水溝の蓋


更にこれだけだとやっぱり寂しいので排水溝とその蓋を追加していきます。
まずは蓋を1枚描いて……

いっぱい並べていきます。色彩はちょっと暗めにしています。確か近鉄のトラバーサー設備がこういう感じの排水溝だったはず。

土台の完成

くどいようですが、土台部分にも警告帯やら識別線なんかを追加していきます。

なんとなくそれらしい雰囲気になりました。
恒例の雑草は今回は出番は無しでした。
これでひとまず完成です。

展開図データはこちら

【情景】トラバーサー

トラバーサー部分は組み立てが必要ですが、比較的に簡単に作れるとは思います。

 

データと印刷上の注意

かなり大きな平面パーツがありますので、厚めのマット紙やペーパークラフト用紙への印刷をお勧めします。

また、フルカラーの全面印刷となりますので大量のインクを使用します。
印刷コストの安い大容量インクプリンター、もしくはマット紙は使えませんがコンビニプリントでの印刷をお勧めします。

 

作例と組み立て

組み立て方法はこちらのYoutube動画をご覧ください。

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まずはトラバーサー本体。

薄い板の上に操作室が乗っかった形状ですので組み立ては比較的に簡単です。
折り曲げる部分が細いので、折れ線部分に事前にカッターなどで薄く切り筋を入れておきましょう。


トラバーサーが動く土台部分。動画でもやっていましたが、トラバーサー本体が入るように調整しながら両端を接着してくださいね。

なんだか新交通システムのプラットホームみたいにも見えます。


二つを合体させるとこんな感じに。接着しているわけではないので任意の場所へ移動することができます。


もちろん当サイトのペパクラに合わせて作っていますので、乗せて遊んだり飾ることも。


鉄道イベントなどではこのアングルで見かけることが多いかも。

幅大き目に作っていますので新幹線車両(26m級)も載せられます。

ちょっとした工夫で可動も

裏面に磁石を仕込むことで移動も可能となります。
かなりぎこちない動きですが、工夫して滑りを良くすればもっとスムーズに移動できるかも。


ちなみにこんな感じに磁石を貼り付けただけ。

夏休みの工作にも良さそうかも?

余談ですが鉄道模型でも

ちなみに多少縮尺が異なりますが、もちろん鉄道模型にも使うことが可能です。印刷の際には印刷倍率を調整してください。

紙で簡単に作れますので是非、挑戦してみてくださいね。

オススメの用紙はこちら。厚めのマット紙でカッチリ作りましょう。

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コメント

  1. ぼく より:

    トラばーさ作れるの凄い

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