鉄道の色は鮮やかで濃い?それとも薄くて暗い? イラストの色とイメージ

学ぶ

昔話

ものすごく昔の話になりますけれども、確か小学校くらいのときに「サクラのおじさんおばさんの色を使わないように」と言われたことを妙に良く覚えています。
また同様の意味で、高校くらいの美術で「絵の具はそのまま使うな」と教えられたことを思い出します。
大事なことは結構すぐに忘れるんですが、こういった「なんてことないもの」は不思議と覚えてるもんなんですよね……

ちなみにこれらの言葉の意味は「用意された色をそのまま使うと個性がなくなってしまう」というものであったと思います。もしくは色の混色を学べという教育的な意味もあったのかもしれませんが。

 

そもそも色数は無限大、一般的な絵の具は12~24色

そもそも色って何色あるのかという話になりますけれども、例えばパソコンで表示される色は1677万色とされています。24ビットなので実際には「1677万7216色」となるわけですがそこは省略。
だいたいこれくらいの表現ができればほぼ全ての色が再現できるといわれています。

 

一方、一般的に使用する絵の具や色鉛筆は12~24色です。筆圧や重ね塗りで色調の変化はもちろん無限に生み出せますけれども、いわゆるベタ塗りでは案外と単調な塗りになってしまいがちです。特にデジタルでは尚更。




では例題です

少し古いですが山手線の103系電車を例にしてみます。
緑色の車体の四角い電車といえばまさに通勤電車のアイコン的な存在ではないでしょうか。実際の電車のことは詳しく知らなくとも、すぐにイメージは出来るかと思います。

 

では課題です。

「この白い電車を山手線っぽく緑色一色で塗ってください。」

windowsの標準機能に「ペイント」があるので、それを使ってもいいかもしれませんね。

 

 

解答例として3色で塗ってみました。

一般的なペイントソフトで「緑色」で塗った例。上が普通の緑。真ん中が黄緑。下が蛍光グリーン。最初に用意されているパレットを使って塗ってみました。

確かにどれも緑色です。でもなんだか鮮やかで濃すぎて……イメージとは違うと思いませんか?

 

 

実際はこんな色

いきなりネタバラシをしてしまいますが、実は山手線などのウグイス色はこんな感じに非常に「くすんだ色」なんです。

ちなみにウグイス色と呼ばれますが、正式には黄緑6号と言われる色なんです。カラーコードは「 #7BAB4F」で指定されています。

上の例に比べると色合いも暗くて、色の濃さも薄くて、鮮やかさは全くありません。

例えば先程の3種類の例と比べてみるとこのように。

でも

「あー、たしかにこんな色っぽい!」

となりませんでしょうか?

 

カラーコードそのままもイメージと違う例も

もう一つわかりやすいのが湘南色でしょうか。
オレンジとグリーンの塗り分けと言われますが正式には

   「緑2号」#354F33

   「黄かん色」#CA6A1F

の2色が使用されています。

 

上がいわゆる初期のパレットで用意されている「オレンジ」と「グリーン」を使って塗ってみた例。
下が実際のカラーコードを使って塗ってみた例。
もちろんどちらが湘南色に近いかと言えば下を選ぶ人が多いかとは思います。
ただ実際には太陽の当たり具合ですとか褪色(色の褪せ)がありますので、もう少し明るい色味の方がイメージに近いかもしれません。

ということで調整したのがこちら。

鉄道模型を参考に少し明るく鮮やかにしてみました。

 

ならべるとこんな感じ。

もちろん好みになりますので一概にどれが一番下というのは言いにくいですけれども、イメージとしては一番下が近いのかなとは思っています。

 

さらに記憶色という概念もあったりします。「色」は本当に奥深いのです。

 

色は楽しい

鉄道の絵を書く。ペーパークラフトを自分で作る場合でも、このように「色の味」を想像しながら描くことで今までよりも一歩先に進んだ作品ができあがるようになります。
特にパソコンなどで塗る場合には均一な色、そして鮮やかで強い色が容易にベタ塗りできますので、思っていた以上に不自然な色合いとなってしまいますし。

あくまで個人的な主観ですが、鉄道系は「あれ、暗いかな?」というレベルに調整してあげると案外といい具合に収まることが多い気がします。

模型用塗料のような、「国鉄色セット」みたいな色鉛筆や絵の具があったら良いんですけれどもね。(昔、阪急マルーンの色鉛筆があったような気もしますが…)

 

ちなみに私は最近になってですが色見本帳を作っています。

必要に応じてこの色見本帳から色を引っ張ってくるわけなんですね(実際にはライブラリから)
そうすることで同じ色味の別の鉄道でも色合いの統一感を出すことが出来るようになります。
といっても実際には同系色の並びでも経年変化によって同じ色になることはまず無く、むしろ色合いがバラついてるほうがリアルだったりするわけですが。そこもまた悩みどころです。

 

そんなこんなで色のお話でした。
みなさんも、もしペーパークラフトを設計する、鉄道の絵を描く場合は是非、色合いにも悩んでみてくださいね。

 

追記:いい本が出るそうで

ちょうどこの記事を書いている中に「色見本帳」が出版されることが分かりました。国鉄電車が主体になりますが、色はそのままJRに引き継がれていますので最近の車両を描く、作る場合でもきっと役立つはずです。

ちなみに2022年3月8日発売。

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